日本は住宅ローンの金利が諸外国に比べて低いため、多くの人々が銀行や金融機関でローンを組み、不動産を購入しています。
メガバンクだけでなく、ネット銀行の代表格であるauじぶん銀行やPayPay銀行、さらに小売が母体のイオン銀行なども住宅ローンを提供しており、多様な選択肢があるため、非常に利便性が高いです。
しかし、ハワイの不動産を購入する際にも同様にローンを組むことが可能でしょうか?
本記事では、ハワイの不動産を購入するためのローンについて詳しく解説します。
日本と米国の金融機関が提供するローンの種類や組み方をご紹介するので、ハワイの不動産購入を検討されている方はぜひ参考にしてください。
ハワイ不動産の購入するためのローン
一般的に、国内の不動産ローンは物件に抵当権が付与され、物件評価額の100%を低金利で融資してもらえます。
しかし、ハワイを含む海外不動産の場合は日本の抵当権を設定できないため、これまで海外不動産の購入にはローンを組むことが難しかったのが現実でした。
しかし、現在ではハワイの銀行だけではなく日本国内の銀行も、一定の条件のもとでハワイの不動産を購入するためのローンを提供しています。
ハワイの不動産の購入もより身近な夢として叶えられる時代になってきています。
SBJ銀行
韓国資本のSBJ銀行は、ハワイの不動産を抵当権に設定できる数少ない銀行の一つです。
SBJ銀行は東京港区に本店を構え、名古屋、大阪、福岡にも支店を展開しています。
この銀行のローンは、物件評価額または売買価格の50%までを上限とする融資限度額が設定されており、手元にある資金で高級物件を購入する際に、不足分を補うために最適です。
ただし、対象となる不動産は自宅またはセカンドハウスに限られます。
投資用の不動産には適用されないため、投資目的の方は利用できませんので、ご注意ください。
SBJ銀行の融資条件 | |
商品名 | ハワイ不動産担保ローン |
融資対象者 | 法人および個人事業主の方
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資金使途 | 事業性資金
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融資金額 | 1,000万円以上2億円以内(10万円単位)(お借入通貨円建て) |
融資期間 | 1年以上35年以内(保証会社の保証期間内) |
金利 | 年2.80%(変動金利・保証料含む) |
返済方法 | 毎月元利均等返済または毎月元金均等返済 (いずれもボーナス返済は不可) ※毎月の約定返済日に返済用口座から自動引落としさせていただきます。 ※約定返済日はお客さまご指定の日となります。休日の場合、翌営業日が返済日となります。 ※返済用口座はご本人名義の当行普通預金口座となります。 |
遅延損害金 | 年14.0%(1年365日の日割計算) |
保証人・保証料 |
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団信生命保険 | 当行の指定する団体信用生命保険にご加入いただけます。(保険料当行負担) |
手数料 |
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保証会社 | 株式会社日本保証 |
その他費用 | エスクロー(※) 費用の他、下記の費用が必要となりますが、ご購入物件により異なります。 また、下記以外にも費用が発生する場合がございますので、予めご了承ください。
※ エスクロー・・・不動産取引を仲介する公平公正な第三者機関(法人) |
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オリックス銀行
オリックス銀行は、首都圏・近畿圏・名古屋市・福岡市にお住まいの方が、すでに所有している国内不動産を担保にして、海外不動産の購入資金を得ることができるローンを提供しています。
年収(自営業者の場合は所得)が前年度に700万円以上であること、また特定の地域の不動産を担保にする必要があるため、融資を受ける条件は厳しめですが、海外不動産への投資をお考えの方には有益な選択肢となります。
オリックス銀行の融資条件 | |||||
商品名 | 不動産担保ローン | ||||
融資対象者 |
※首都圏は東京・神奈川・千葉・埼玉の各都県、近畿圏は大阪・兵庫・京都・滋賀・奈良・和歌山の各府県に限ります。 |
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資金使途 |
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融資金額 |
※年収負担率とは、年収に占めるすべての借り入れの年間合計返済額の割合です。 |
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融資期間 | 1年以上35年以内 ※ただし、借りかえの場合は上記期間以内、かつ本借りかえ対象の現在のローンの残存期間に5年を加えた期間以内とします。 ※年齢や担保提供不動産の構造・築年数、資金使途により期間を制限する場合があります。 |
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金利 | 変動金利型、固定金利期間特約付変動金利型のいずれかを選択可能です。 変動金利型(年2回見直し型) 固定金利期間特約付変動金利型(3年固定金利特約型/5年固定金利特約型) |
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返済方法 | 毎月元利均等分割返済、または毎月元利均等分割返済と元利均等年2回増額返済併用のいずれかを選択可能です。 毎月元利均等分割返済 毎月元利均等分割返済と元利均等年2回増額返済の併用 お客さまの指定の金融機関からの自動引き落としでの返済です(一部取り扱いできない金融機関もあります)。 |
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担保 | 担保提供不動産に当社を権利者とする第1順位の抵当権を設定登記します。 ※担保提供不動産によっては、第2順位以降の抵当権設定登記による借り入れも可能な場合があります。 ※担保設定費用は別途負担していただきます。 対象となる担保提供不動産
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団信生命保険 | 借入金額に見合う金額の当社指定の団体信用生命保険に加入していただきます。 保険料は当社で負担します。 ただし、選択する団体信用生命保険によって、金利が上乗せされる場合があります。 |
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保証人 | 原則、担保提供不動産の共有者には担保提供者または連帯債務者になっていただきます。
※当社が必要と判断した場合、名義人に連帯債務者または連帯保証人になっていただくことがあります。 |
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取扱事務手数料など |
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その他 |
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東京スター銀行
東京スター銀行は、ハワイ州オアフ島南岸の不動産を担保に、同地域の賃貸不動産購入資金として最大3億円までのローンを提供しています。
ただし、すでにオアフ島南岸に不動産を所有していることが前提条件となるため、この点が融資を受ける際の大きなハードルとなる場合があります。
東京スター銀行の融資条件 | |
商品名 | ハワイ不動産担保ローン |
融資対象者 | 法人および個人の方 ※日本国籍企業、および日本に居住されている日本国籍の方が対象です。 ※申込時の年齢が満20歳以上であること(法人の場合は代表者) ※保証会社(株式会社日本保証およびJトラスト株式会社)の保証が受けられる方 |
資金使途 | 事業性資金 ※ハワイ州オアフ島南岸に所在する賃貸不動産の購入資金 ※同エリアに保有する賃貸不動産を担保とした他金融機関からの借換資金、および新たな賃貸不動産の購入資金 ※日本国内で営まれる事業にご利用する資金 等 |
融資金額 | 1,000万円以上3億円以下(50万円単位)(円建て) |
融資期間 | 1年以上5年以内 (1年単位、原則、期日での契約期間延長可) |
金利 | 年2.8%の固定金利(保証料を含む) |
返済方法 | 元利均等返済 ※毎月のご返済額は、最長の場合、期間30年(ご融資期間とは異なります)にて算出いたします。 ※毎月の元利金返済額、最終回残元金額についてはご相談ください。 |
担保 | 【地域】 ハワイ州オアフ島南岸を所在地とする不動産に、東京スター銀行および株式会社日本保証を抵当権者とする抵当権を設定していただきます。【名義】 法人の場合:自社、法人代表者、および関連会社 個人の場合:ご本人 ※ 対象となる不動産には条件がございます。詳しくはお問い合わせください。 |
保証人 | 株式会社日本保証およびJトラスト株式会社(保証会社)が保証いたしますので原則不要です。 なお、自社・ご本人さま名義以外の不動産を担保とされる場合は担保提供者の方に、共有物件を担保とされる場合には物件共有者の方に、連帯保証人になっていただく場合があります。 |
保証会社 | 株式会社日本保証およびJトラスト株式会社 |
手数料 | お借り入れの際に、お借入金額に対して1.10%(消費税込)の手数料がかかります。 うち、お借入金額の0.55%(消費税込)は、保証事務手数料として保証会社にお支払いただきます。※ 契約期間の延長時の手数料はかかりません。 ※ ご融資日から2年以内に繰上返済する場合、返済金額に対して、2.20%(消費税込)以内の手数料がかかります。 ※ 消費税率が変更となった場合は、手数料も変動いたします。 |
遅延損害金割合 | 年14.0% (1年を365日とする日割計算) |
その他費用 | エスクロー費用、弁護士費用、タイトル保険加入費用等の実費がかかります。 |
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First Hawaiian Bank(ファーストハワイアンバンク)
ファーストハワイアンバンクは、ハワイ全体で57支店、グアムに3支店、サイパンに2支店を展開するハワイ最大手の銀行です。
ダウンタウン本店、ワイキキ支店、カピオラニ支店、ユニバーシティ支店には、日本人のローン担当者が在籍しており、日本語で手続きが可能です。
ただし、ローンの融資限度額は物件評価額の最大50%までであり、さらにフルキッチンが完備されていることが条件となっています。
そのため、ローンを利用する場合でも多額の自己資金を準備する必要があります。
Bank of Hawaii(バンクオブハワイ)
バンクオブハワイは、ファーストハワイアンバンクと並ぶハワイ最大手の銀行です。
堅実な経営と高い信頼性で知られています。
ワイキキ支店のインターナショナルバンキング部には日本語対応のスタッフが常駐しており、日本語での手続きが可能です。
ただし、混雑していることが多いため、事前予約が推奨されます。
ローンの条件については、基本的にファーストハワイアンバンクと同じで、融資限度額は物件評価額の最大50%です。
ローンを組むまでの流れ
ハワイの不動産をローンで購入する手順を解説します。
取引をスムーズに進めるためには、余裕を持ったスケジュールを組むことが重要です。
事前に手順を確認しておきましょう。
金融機関の決定
ハワイの不動産市場は非常にスピード感があり、良い物件はすぐに売れてしまいます。
ハワイに限らず、アメリカ全体で不動産取引は基本的に入札制です。
ローンを利用して物件を購入する場合、現金購入者と競合すると交渉権を得られないことがあります。
国内の金融機関を利用する場合、仮審査を先に済ませておくことが重要です。
ハワイの金融機関を利用する際は、ローン利用の確約書であるApproval Letterを事前に取得しておくと、交渉を有利に進めることができます。
売買契約の締結
物件取引の条件がまとまったら、売主と売買契約を締結します。
その際、売買契約書にローン特約が含まれている場合、その内容を確認することが重要です。
ローン特約とは、ローン審査に落ちた場合に契約をキャンセルできる条項のことで、手付金の返金などもについても記載されていますので、必ず内容を確認してください。
ローンの本審査
売主と売買契約を締結した後は、金融機関の本審査に進みます。
国内の金融機関でローンを組む場合、審査に時間がかかることが多いため、審査完了までの期間を事前に確認しておくことが重要です。
ローン契約及びローン実行
本審査を通過したら、ローン契約およびローン実行に進みます。
国内の金融機関を利用する場合、物件に抵当権を設定するため公証役場での認証が必要です。
公証役場は平日のみ対応しているため、余裕のあるスケジューリングが重要です。
また、ローン実行先の口座が契約者の口座か、それともエスクロー口座かを事前に確認してください。
契約者の口座への送金の場合、着金確認後に契約者がエスクロー口座へ送金処理を行う必要があります。
まとめ
本記事では、ハワイの不動産購入のためのローンについて解説しました。
ハワイの不動産を全額自己資金で購入する方は少数派です。
ほとんどの方が国内またはハワイの金融機関でローンを組んで購入しています。
自己資金に余裕がある方でも、ローンを利用することでよりグレードの高い物件を購入できます。
しかし、海外で不動産を購入する際は、金融機関のローンにさまざまな制約があります。
融資金額や担保に関する条件だけでなく、言語や商習慣の違いから戸惑うこともあるでしょう。
ローンを組んでハワイの不動産を購入する場合は、スケジュールに余裕を持ち、目的に合った条件の金融機関を選ぶことが重要です。