ハドソン・ヤード再開発プロジェクト(Hudson Yards Redevelopment Project)は、ニューヨーク市マンハッタン区ヘルズ・キッチンおよびチェルシーのハドソン川沿いで進行中の大規模な都市再開発事業です。
このプロジェクトには日本の三井不動産も参加しており、2022年10月に完成した50ハドソンヤード(50 Hudson Yards)では、総事業費約40億ドルのうち9割を三井不動産が出資しています。
このビルは、日系企業によるマンハッタンでのオフィスビル開発事業として過去最大級で、ニューヨークでも4番目に大きな商業オフィスタワーです。
50ハドソンヤードに隣接する2018年完成の55ハドソンヤード(55 Hudson Yards)も三井不動産が手掛けたオフィスビルです。
本記事では、三井不動産が参画するニューヨークのハドソン・ヤード再開発プロジェクトの詳細について解説します。
ハドソン・ヤード再開発プロジェクトとは?
ハドソン・ヤード再開発プロジェクトとは、マンハッタンのミッドタウンウェストに位置するハドソンヤード(Hudson Yards)で進行中の、アメリカ最大規模の再開発プロジェクトです。
このプロジェクトは、全米有数のデベロッパーRelated Companiesとカナダ最大の投資会社Oxford Properties Groupによって主導されています。
開発地はMTAのロングアイランド鉄道(Long Island Railroad: LIRR)のウエスト・サイド車庫(West Side Yards)の上に位置し、開発総面積は約11ヘクタール、総工費は250億ドルに達します。
プロジェクト全体の完成は2024年以降を予定していますが、2019年にフェーズ1がすでにオープンしています。
フェーズ1(東側プロジェクト)
フェーズ1は、東側のプロジェクトで、6棟の超高層ビル、商業施設、文化施設などで構成されています。
このエリアには、コーチ本社やロレアルアメリカ、SAP、KKR、ボストンコンサルティング、タイムワーナー本社などが5棟のオフィスビルに入居しています。
三井不動産が手掛けた50ハドソンヤードには、Meta(旧Facebook)や世界最大の資産運用会社BlackRockがオフィスを構えています。
名称 | 用途 | 最後部(m) | 延床面積(㎡) | 完成年 |
10ハドソンヤード (10 Hudson Yards) |
オフィス | 268 | 158,000 | 2016年 |
15ハドソンヤード (15 Hudson Yards) |
住宅 | 280 | 74,322 | 2019年 |
30ハドソンヤード (30 Hudson Yards) |
オフィス、展望施設、店舗 | 387 | 240,000 | 2019年 |
35ハドソンヤード (35 Hudson Yards) |
オフィス、展望施設、高級ホテル | 308 | 105,000 | 2019年 |
50ハドソンヤード (50 Hudson Yards) |
オフィス、店舗 | 308 | 264,000 | 2022年 |
55ハドソンヤード (55 Hudson Yards) |
オフィス、店舗 | 240 | 120,700 | 2019年 |
ザ・シェッド (The Shed) |
文化施設 | – | – | 2019年 |
The Shops & Restaurants at Hudson Yards | 商業施設 | – | 93,000 | 2019年 |
ベッセル (Vessel) |
観光施設 | – | – | 2019年 |
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ベッセルは、イギリス出身の建築家トーマス・ヘザーウィック(Thomas Heatherwick)が手掛けたハドソンヤードのランドマークです。
蜂の巣を連想させる六角形のフレームが積み重なった美しい展望台からは、ミッドタウンとハドソン川を一望できます。
オープン当初から大人気の施設でしたが、飛び降り自殺が相次ぎ、一時は無期限で閉鎖されていました。現在は、二人以上のグループでの入場が可能となっています。
フェーズ2(西側プロジェクト)
フェーズ2は、西側で進行中のプロジェクトで、7つのマンション、1つのオフィスビル、そして学校が建設される予定です。
このプロジェクトの全ては、2024年までに完成する予定です。
三井不動産の米国事業
ハドソン・ヤード再開発プロジェクトに参画する三井不動産は、グループ長期経営方針『VISION 2025』において『グローバルカンパニーへの進化』を掲げ、今後も海外事業の飛躍的な成長を目指しています。
これまで、アメリカ・イギリスをはじめ、中国、台湾、東南アジア、オーストラリア、インドなどで事業を展開してきました。
アメリカでは、オフィス、住宅、ラボオフィスなど多岐にわたる開発事業に取り組んでおり、2018年10月にニューヨーク・マンハッタンのオフィスビル「55ハドソンヤード」が竣工、2020年12月にはサンフランシスコの複合開発事業「ミッションロック」が着工しています。
さらに、アメリカにおける賃貸住宅の供給戸数は累計2800戸を突破し、2022年1月にはマンハッタンで高級分譲住宅「コートランド」の販売を開始しました。
これにより、全米の主要都市で事業を展開しており、今後もさらなる事業機会の獲得を目指しています。
まとめ
本記事では、三井不動産が参画するニューヨークのハドソン・ヤード再開発プロジェクトについて詳しく解説しました。
ハドソン・ヤード再開発プロジェクトは、マンハッタンのミッドタウンウェストに位置するハドソンヤード(Hudson Yards)に、全米有数のデベロッパーであるRelated Companiesとカナダ最大の投資会社Oxford Properties Groupの主導で進められるアメリカ最大規模の再開発プロジェクトです。
三井不動産の参画により、日本でも大きな話題となりました。
また、三井不動産はハドソンヤードだけでなく、全米で急速に事業を展開しており、今後の動向にも注目が集まっています。