ザ・リッツ・カールトン・レジデンス・ワイキキビーチ(以下、リッツ)は、全室オーシャンビューのラグジュアリーな五つ星ホテルです。
リッツでは、最高級のレストランやスパ、インフィニティプール、フィットネス施設など、上質な設備とサービスを堪能できます。
日本ではまだ馴染みが薄いですが、リッツはホテルコンドミニアムと呼ばれる不動産形態です。
建物内にはフロント設備が整っており、購入者は所有する客室を一泊単位でホテルとして運用することが可能です。
これにより、購入者はホテルの客室のオーナーになることで、利用価値の高い商品を合理的に所有することができます。
本記事では、ザ・リッツ・カールトン・ワイキキビーチの投資利回りについて詳しく解説します。
さらに、五つ星ホテルのオーナーになるためのコンドミニアム投資の注意点についてもご紹介しますので、ぜひご参考にしていただき、夢の実現に向けて一歩を踏み出してみてください。
ザ・リッツ・カールトン・ワイキキビーチの詳細
リッツは、ワイキキビーチまで徒歩5分の至便なロケーションにあり、高級ブランドのショップが立ち並ぶラグジュアリーロウ(Luxury Row)に隣接しています。
ビーチ、ショッピング、レストランなど、すべてが手軽に楽しめる理想的な立地です。
観光客で賑わうピーク時には予約が困難になることもある一方で、それはコンドミニアム投資家にとっては安定した投資先であることを意味します。
法人として購入される場合、取引先を招待するのにも最適です。
日本国内の別荘とは異なり、リッツのコンドミニアムはホテルと同じような利用方法のため、客室の清掃やルームサービスなどもありますので、オーナーがゲストを招待しやすいです。
物件概要
ザ・リッツ・カールトン・ワイキキビーチの物件概要 | |
正式名称 | ザ・リッツ・カールトン・ワイキキビーチ (The Ritz-Carlton Waikiki Beach) |
住所 | 383 Kalaimoku St, Waikiki, Honolulu, HI |
開業 | 2016年 |
階層 | 38階 |
客室数 | 554室 (Ewa Tower / エバ・タワー308戸) (Diamond Head Tower / ダイヤモンドヘッド・タワー246戸) |
権利形態 | 完全所有権(Fee simple) |
価格帯 | 5000万円(スタジオタイプ)〜25億円(ペントハウス) |
その他 | プール・ジム(24時間利用可能)・スパ・会議室・シアタールーム・レストラン等を完備 |
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リッツは、エバ・タワーとダイヤモンドヘッド・タワーの2つの建物に、合計554室の客室が誇らしくそびえ立ちます。
スタジオからペントハウスまで、多彩な部屋タイプが揃っており、購入者の投資目的や資産形成プラン、予算に応じた最適な投資が可能です。
興味深いことに、90%以上のオーナーが現金での購入を選択しています。
ホテルレンタルプログラムを活用して貸し出しをする場合、オーナーが宿泊している間もホテルの清掃会社を利用する必要がありますが、別荘として利用する場合は外部の清掃会社を利用することも可能です。
ただし、リッツのハウスルールに従うことが条件であり、適切な保険カバレッジを持つ清掃会社を選定する必要があります。
ザ・リッツ・カールトン・ワイキキビーチの利回り
リッツへの投資は、一般的な不動産投資とは異なり、1ヶ月間の固定賃料がないため、部屋の稼働率に応じて収益が変動します。
特にゴールデンウィークやお盆、年末年始などのハイシーズンでは、稼働率が高まり、期待通りの高い収益が見込めます。
ザ・リッツ・カールトン・ワイキキビーチの利回り | |
レンタル収入 | 45,237.25ドル |
管理費 | ▲16,824ドル |
固定資産税 | ▲10,776ドル |
電気代 | ▲960ドル |
火災保険料 | ▲400ドル |
手取り合計額 | 16,277.25ドル |
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リッツの中で、最も収益性の高いのは、約60㎡のStudio(ワンルーム)タイプで、販売価格は899,000ドルです。同タイプの部屋の年間のレンタル収入は45,237.25ドルで、表面利回りは5.03%に達します。
しかし、通常のホテル運営に伴う人件費や清掃費用などの管理費がかかります。
年間の維持経費だけでも28,960ドルかかるため、諸経費を差し引いた実質収益は16,277.25ドルまで減少します。
これにより、実質利回りは1.81%になります。
ハワイの不動産は、固定資産税が高額であるため、国内の不動産投資と比較して、表面利回りと実質利回りの乖離が大きくなる傾向にあります。
しかし、魅力的なハワイの不動産市場での投資は、長期的な視点で見ると大きな利益をもたらすことが期待されます。
ハワイ不動産投資の注意点
ハワイへの不動産(コンドミニアム)投資は、比較的リスクが少ないとされていますが、不動産価格、利回り、ローンの仕組み、不動産会社とのコミュニケーション、税金、為替など、国内の不動産投資と比較して、注意すべきリスクは幅広く存在します。
不動産価格が高い
ハワイの不動産市場は、アメリカの他の州と比較して高額な販売価格が特徴です。
過去5年間で、ハワイの不動産価格は安定的に上昇しています。
2020年1月時点でハワイの不動産の販売価格の中央値が50万ドル台だったのが、現在は70万ドルを突破し、短期間で大きく価格が上昇しています。
2024年4月、ハワイの住宅価格は昨年比14.1%上昇し、中央値784,700ドルで販売されました。
販売された住宅数は前年比11.3%増加し、販売された住宅数は1,139軒で、昨年4月に販売された住宅数1,023軒を上回りました。
売り出しから成約までの平均売却期間は74日でした。
また、アメリカ全土を見ても、ハワイより不動産価格が高いのはカリフォルニアだけで、ニューヨークやフロリダよりも販売価格が高騰していることがわかります。
ハワイの不動産市場は、長期的に販売価格が右肩上がりに伸びているため、キャピタルゲインや資産価値の向上を重視した投資に最適です。
一方で、インカムゲインを重視する場合は、ハワイにこだわることなく、他のエリアも検討することをおすすめします。
ハワイの不動産市場の特性を理解し、他の選択肢と比較しながら、最適な投資先を見つけることがポイントです。
利回りが低い
ハワイの不動産市場では、販売価格の急激な上昇に伴い、表面利回りは約4%程度にとどまっています。
実質利回りも国内の不動産投資と比較して低くなっています。
ハワイは東京の一等地と同様に、物件価格が高く、管理費や固定資産税などの維持費用も日本よりもはるかに高額です。
そのため、利回りを期待しての不動産投資はおすすめできません。
ただし、ハワイ在住で英語が得意な方にとっては、アメリカの賃貸市場では個人間の契約も頻繁に行われており、自身で賃貸物件の管理を行うことで賃貸管理会社に支払う約30%の手数料を削減し、利回りを改善することが可能です。
一方で、日本在住の方や英語でのコミュニケーションに自信のない方にとっては、時差による緊急対応の難しさや日米間のビジネスや文化の違いによるトラブルや誤解を避けるために、賃貸管理会社に委託することが望ましいでしょう。
フルローンでの購入は不可能
ハワイの不動産を購入する際、少数ながらも日本と同じようにローンを利用することができます。
日本とハワイの両方で不動産ローンを組むことができます。
特に、ハワイ最大手のファーストハワイアンバンクはおすすめです。
日本人のローン担当者が在籍し、全て日本語で手続きが可能です。
ただし、ローンの融資限度額は物件評価額の50%までという条件があります。
また、物件にフルキッチンが完備されていることもローンを組むための条件の一つとなっています。
国内の金融機関では、韓国資本のSBJ銀行がハワイの不動産に対する融資を提供しています。
SBJ銀行は東京港区に本店を置き、名古屋、大阪、福岡にも支店があります。
こちらもローンの融資限度額は同様に50%で、自宅やセカンドハウスであることが条件です。
いずれの金融機関でも融資限度額は最大で50%ですので、フルローンでの購入は不可能のため、ローンを利用できても多額の自己資金の準備が必要となりますので、注意してください。
不動産会社とのコミュニケーション
日本とハワイの間には19時間の時差があります。
時差が大きいため、不動産会社とのコミュニケーションが円滑に進まないことがあります。
また、アメリカ人のエージェントは日本語でのコミュニケーションができない場合も多いので、英語に自信のない方は必ず日本人が在籍する不動産会社をご利用ください。
これは物件を購入する時だけではなく、購入後の管理を委託する賃貸管理会社との付き合い方でも同じです。
税金と為替のリスク
ハワイは物価が高いので、他のアメリカの州と比べても税金も高いです。
固定資産税も日本とは比較にならほど高い上に、VATと呼ばれる付加価値税もかかります。
税金の種類や税率については、不動産を購入する前に必ず不動産会社に確認すべき重要事項です。
また、不動産を売却した場合の売却益に対して、譲渡所得税が課税されます。
ハワイの不動産を売却した場合、最初の納税地は不動産があるハワイになりますが、日本人の場合、最終的に日本で確定申告を申請して、日本の税法に従って、譲渡税を申告・納付する必要があります。
日本とアメリカは、租税条約を締結しているので、二重に課税されることはありませんが、ハワイでの納税額が少なければ日本で追加納税が発生します。
ハワイの不動産を売却する時は、取引がドル建てで実施されますが、日本で申告をする場合は、売却したその日のドル円のレートが適用になります。
購入時よりも円安が進行しているタイミングで売却すると、売却益が大きくなるので、それに伴い税金も高額になるので、注意が必要です。
さらに、ハワイの不動産を売却したら、HARPTA(ハワイ州不動産税法)とFIRPTA(外国人不動産投資税法)という源泉徴収税をハワイ州とアメリカ合衆国連邦税務署に納める義務があります。
源泉徴収税が売買価格の22.25%に設定されていますので、1,000,000ドルで売却した場合、222,500ドルも源泉徴収されてしまいます。
翌年に確定申告を行うことで、必要以上に徴収された分に関しては還付がありますが、申請後すぐに還付されるわけではなく、また具体的に還付までの日数が決まっているわけではないのですが、平均で6ヶ月〜12ヶ月後に還付されることがほとんどです。
不動産を売却してから、それなりの期間が経過してから還付されるので、売却資金をあてに次の投資を実行するならば、売却手続き完了後、22.25%の源泉徴収税を差し引いた金額しか手元にないことを頭に入れておく必要があります。
バケーションレンタルに関する規制
ハワイは世界有数の観光地であるため、住宅やコンドミニアムを1ヶ月程度の短期滞在者に貸し出すバケーションレンタルも有効です。
そのため、バケーションレンタル用に物件を購入して、民泊のような形で運用する人も増えています。
しかし、2022年4月にバケーションレンタル規制法案の41号が法案化されたことによって、リゾート地以外でのコンドミニアムの賃貸期間が最低30日間から90日に変更されてしまいました。
この背景には、バケーションレンタルの利用者による騒音や近隣住民とのトラブルが問題化し、規制が強化されることになりました。
短期間の貸し出しが不可能になったので、バケーションレンタルを活用した不動産投資をご検討されている方は、規制法案の対象外となるリゾート地を選ぶか、90日以上の貸し出しでも需要が見込める物件を選ぶ必要があります。
まとめ
本記事では、ザ・リッツ・カールトン・レジデンス・ワイキキビーチの収益性と利回りについて解説しました。
また、五つ星ホテルのオーナーになれるコンドミニアム投資の注意点もご紹介しました。
リッツは、ワイキキを代表するトランプと並ぶ五つ星ホテルであり、旅行者に大変人気のあるホテルです。
そのため、一室のオーナーになることは確かな安定した投資先と言えます。
ただし、リッツの販売価格や維持経費が高いため、利回りが低い傾向があります。
ハワイへの投資は、ローンの仕組みや不動産会社とのコミュニケーション、税金や為替、法律など、国内の不動産投資とは異なる複雑な要素があります。
したがって、わからない点があれば迅速に専門家に相談し、対応を検討することをお勧めします。