ハワイの不動産投資において、不動産の保有中および売却後にかかる税金は重要なポイントです。
ハワイで不動産を保有する場合、不動産に関わる税金について事前に確認することが大切です。
本記事では、ハワイの不動産にかかる固定資産税と譲渡税について詳しく解説します。
日本人がハワイの不動産を保有する際、税金関連は非常に重要なポイントとなるため、興味のある方はぜひ参考にしてください。
ハワイの不動産に関わる税金とは?
ハワイの不動産に関わる税金を理解する前に、まず日本国内の不動産税について解説します。
国内の場合、不動産取得時に支払う不動産所得税、所有期間中に毎年支払う固定資産税、そして売却時に課税される譲渡税の3つが所有者にかかる主な税金です。
譲渡税は売却価格が購入価格を下回る場合に課税されない場合もあります。
ハワイも同様に、不動産に関連する税金が存在します。
ハワイでは不動産取得時に不動産所得税はかかりませんが、所有期間中には毎年支払う固定資産税(Property Tax)と、売却時に支払う譲渡税(Conveyance Tax)の2つがあります。
それでは、これらの税金について詳細に見ていきましょう。
固定資産税(Property Tax)の仕組み
ハワイの固定資産税(Property Tax)は、7月1日から翌年6月30日までの期間に計算されます。
納税のタイミングは、年に二度あり、第一期の納税期限は8月20日、第二期の納税期限は2月20日です。
また、第一期の納税時には1年分をまとめて支払うことも可能です。
ハワイの固定資産税は、地方によって税率が異なるため、同じハワイ州内でも島ごとに税率や資産区分が異なる特徴があります。
ハワイ州の固定資産税率
ハワイの固定資産税率は、地域、居住者、物件の種類、固定資産税評価額などの要素によって決定されます。
- 地域(ハワイ島、オアフ島、マウイ島、カウアイ島)
- 居住者(本人所有なのか、本人意外の所有しているのか)
- 物件の種類 (コンドミニアム、 ホテルなど)
- 固定資産税評価額
「Hotel and Resort」の所有者であれば、ハワイ島、オアフ島、マウイ島、カウアイ島などの各地域で異なる税率が適用されます。
ハワイ州の「Hotel and Resort」固定資産税 | |
ハワイ島 | 1.155% |
オアフ島 | 1.39% |
マウイ等 | 1.1% |
カウアイ島 | 1.085% |
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出典:http://www.localrealestatehawaii.com/resources/property-taxes/
ハワイの固定資産税率は毎年10月に決定されます。
最近では、ハワイの不動産市場が価格上昇しており、それに伴い固定資産税率も上昇しています。
日本人投資家に適用される固定資産税の税率は、主に投資用の「Hotel and Resort」とセカンドハウス用の「Residential A」の2種類に分類されます。
Hotel and Resortは短期賃貸を行っているコンドミニアムを指し、Residential Aはセカンドハウスとして所有または長期賃貸で貸し出している物件を指します。
それぞれのオアフ島の固定資産税率を以下にご紹介します。
オアフ島の固定資産税率 | |
Hotel and Resort(投資) | 1.39% |
Residential(住居) | 0.35% |
Residential A(セカンドハウス) | 物件評価額は100万ドル未満:0.45% 物件評価額は100万ドル以上:1.05% |
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出典:http://www.localrealestatehawaii.com/resources/property-taxes/
国内の不動産の固定資産税率は、一般的には固定資産税評価額の1.4%ですので、税率自体はハワイよりも低くなります。
しかし、国内の場合は固定資産税評価額が実際の取引価格の60〜70%を基準としていますが、ハワイでは固定資産税評価額と実際の取引価格がほぼ同額となります。
例えば、1億円の不動産を国内で保有している場合、固定資産税は100万円以下に収まりますが、同じ金額の不動産をハワイで保有すれば105万円以上の納税が必要になります。
また、ハワイのコンドミニアムは共用施設が充実しているため、日本以上に管理費が高額になります。
2LDKの物件であれば、毎月10万円〜20万円が管理費として支払われることが一般的です。
固定資産税と管理費を合わせると、年間で数百万円にも上る維持経費(ランニングコスト)がかかります。
ハワイの不動産にご興味がある方は、事前にシミュレーションを行うことが重要です。
固定資産税の支払い方法
ハワイの固定資産税の支払い方法をご紹介します。
主に4つの支払い方法があります。
- 小切手の郵送
- オンラインでのクレジットカード支払い
- 電話
- 窓口での直接支払い
日本在住の不動産所有者は、固定資産税の支払いにおいて主に「小切手の郵送」または「オンラインでのクレジットカード支払い」を選択します。
小切手の場合、ホノルル税務署から送られてくる固定資産税通知書には、納税者情報や納税額などが記載されています。
これらの書類と小切手を同封し、安全な追跡サービスを提供するEMSやFEDEXなどを利用してホノルル税務署に郵送することで支払いが完了します。
一方、オンラインでのクレジットカード支払いの場合、ホノルル税務署の公式ウェブサイトからクレジットカード(MasterCard・VISA・DISCOVERのみ)の登録を行います。これにより、手続きをスムーズに完了させることができます。
譲渡税(Conveyance Tax)の仕組み
譲渡税(Conveyance Tax)は、ハワイの不動産を売却する際に課される税金です。
ハワイの譲渡税は、取引価格に応じて累進税率が適用されます。
日本人が不動産を売却する場合、ハワイ州に支払う税率は以下の通りです。
不動産の売却価格 | 税率 |
600,000ドル未満 | 0.15% |
600,000ドル〜1,000,000ドル | 0.25% |
1,000,000ドル〜$2,000,000ドル | 0.4% |
2,000,000ドル〜$4,000,000ドル | 0.6% |
4,000,000ドル〜6,000,000ドル | 0.85% |
6,000,000ドル〜10,000,000ドル | 1.1% |
10,000,000ドル〜 | 1.25% |
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ハワイの不動産を売却する際の譲渡税(Conveyance Tax)は、取引価格に応じて適用される累進税率が特徴です。
たとえば、1000万ドル以上の不動産を売却する場合、税率は最高で1.25%になります。
そのため、1000万ドルの売却価格であれば、15万ドルもの譲渡税がかかることになります。
日本在住の所有者が不動産を売却する場合、最初に支払う税金の納税地は不動産があるハワイになりますが、最終的には日本での確定申告が必要です。
日本とアメリカは租税条約を締結しており、二重課税を防いでいますが、ハワイでの納税額が低い場合は日本で追加の納税が必要となります。
ハワイの不動産を売却する際、取引はドル建てで行われますが、日本での申告には売却日のドル円レートが適用されます。
そのため、円安の状況で売却すると、売却益が大きくなり、税金も増えることがありますので、注意が必要です。
さらに、ハワイの不動産を売却すると、HARPTA(ハワイ州不動産税法)とFIRPTA(外国人不動産投資税法)という源泉徴収税をハワイ州とアメリカ合衆国連邦税務署に納める義務が生じます。
源泉徴収税率は売買価格の22.25%と設定されており、例えば100万ドルの売却価格の場合、222,500ドルが徴収されます。
これにより、申請後に22.25%の源泉徴収税が還付される可能性がありますが、還付までの期間は6ヶ月〜12ヶ月かかる場合があります。
そのため、次の投資を計画する際には、売却手続き後に22.25%の源泉徴収税が差し引かれた金額しか手元に残らないことを考慮する必要があります。
また、アメリカでは「1031エクスチェンジ」という投資用不動産の買い換え特例がありますが、海外の不動産には適用されません。
そのため、ハワイの不動産を売却する場合は、税制メリットを逃さないよう十分に注意する必要があります。
まとめ
本記事では、ハワイの不動産の固定資産税と譲渡税について解説しました。
ハワイの不動産にかかる税金は、日本と比べると種類が少ないように思えますが、固定資産税の税率は年々上昇傾向にあります。
そのため、購入前に管理費と合わせて年間でかかるランニングコストをシミュレーションすることが重要です。
また、譲渡税に関しては、HARPTAやFIRPTAなどの源泉徴収税も含め、複雑な要素があります。
疑問や不明点があれば、専門家に相談して、早めの対応を心がけましょう。